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この記事は、上のような悩みを持っている人に向けて書かれています。
では記事の詳細に入る前に、まずは軽く僕の自己紹介をさせてください。
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今回は、以下のお題で考えていきます。
お題:脱炭素に対してあなたはどのような意見を持っているか?800字程度でまとめなさい。
「脱炭素」という単語、あなたも一度は聞いたことあると思います。
意味を説明すると、「CO2の排出量を実質ゼロにすること」と表現できますね。これはカーボンニュートラルとも呼ばれる考え方で、世界的な目標となっております。
まず大前提として、温室効果ガスの排出そのものをゼロにすることは不可能ですよね。僕たち人間は呼吸するだけでCO2を排出していますし、工場の稼働に伴っていくらかの温室効果ガスは絶対に排出されます。
そこでポイントとなるのが、排出された温室効果ガスを除去する取り組みです。具体的には、以下のような取り組みがあります。
- 植林
- CO2の回収・貯留(CCS)
- 回収・貯留したCO2の利用(CCUS)
CCSとCCUSは馴染みのない言葉かと思いますが、この際覚えておきましょう。
CCSは「Carbon dioxide Capture and Storage」の略称で、日本語では「二酸化炭素の回収・貯留技術」と言います。工場などから排出されたCO2を集めて、地中深くに貯留する技術を意味しています。
CCUSは「Carbon dioxide Capture, Utilization and Storage」の略称で、貯留したCO2を利用する技術を意味しています。微細藻類を用いたバイオ燃料への利用や、コンクリート製品への配合など、様々な方法を用いてCO2を消費することを目指しています。
また、小論文を書くにあたっては、具体的な目標数値も押さえておきたいですね。
日本は2030年までに、2013年度比で温室効果ガスを46%削減することを目指しています。そして2050年には、カーボンニュートラルを達成すると宣言しています。ちなみに2030年の46%という数字は、おぼろげながら浮かんできたそうです(笑)。小泉進次郎の発言として非常に有名なので、参考動画を一応貼っておきます。気になる人は見てみてください。
もう一つ、具体的なCO2の排出量が現状どれくらいなのかも見ておきましょう。ちなみに温室効果ガスはCO2だけじゃないのですが、排出されている温室効果ガスの8割がCO2なので、CO2に焦点を当てた対策である「脱炭素」という言葉が生まれています。
2019年のCO2の排出量は約10.3億トンです。そのうちの4.4億トンが発電による排出で、残りの5.9億トンが非発電による排出となります。非発電とは、「乗り物の稼働・工場の稼働・家庭からの排出」などのことを意味しています。
ちなみに、ここまで見てきた具体的な数字を全て使う必要はありません。ただ、具体的な数字があると説得力が増しますので、いくつかの数字は用いたいところです。
では、以上の情報を踏まえながら例文を書いていきます。
例文
お題:脱炭素に対してあなたはどのような意見を持っているか?800字程度でまとめなさい。
2021年4月に開催された気候変動サミットにおいて、日本は2030年までに、2013年度比で温室効果ガスを46%削減すると宣言した。この温室効果ガスの8割はCO2であることから、「脱炭素」という言葉を掲げながら、官民が一体となって多様な取り組みに従事している。2050年にはカーボンニュートラルの達成を目標としているが、この目標を達成するためにはどんな施策が必要になるだろうか?
結論から言うと、「脱炭素に関連する技術の詳細を周知徹底すること」が必要になると考える。なぜなら、脱炭素を推し進めていくためには、あらゆる人の協力が必要だからだ。例えば脱炭素に貢献する一技術として、CCSがある。これは工場などから排出されたCO2を集めて、地中深くに貯留する技術を意味しているのだが、現状は技術面やコスト面が十分に成熟しておらず、研究開発の余地が未だ多く残されている。ただ、そういった現状にも関わらず、CCSという単語すら知らない人が大多数だろう。技術を成熟させるためには多くの人の協力及び理解が欠かせないので、まずは周知徹底に力を入れるべきだと考える。
ただ、いくら周知徹底をしても、「今更脱炭素に関連する技術に携わる気はない」という大人が大多数という懸念点もある。決まった職に従事している大人が今更脱炭素の話を聞いても、聞き流されてしまうに違いない。以上を踏まえると、真に周知徹底すべきなのは、「義務教育を受けている子ども達」ということになる。もちろん、子ども達に周知徹底しても効果が出るには何年もの時間が掛かってしまうだろう。ただ、2050年にはカーボンニュートラルを達成しなければならないこと踏まえれば、将来の技術者を1人でも多く育てる取り組みが欠かせない。
今回は脱炭素の情報を整理した上で、周知徹底が必要という主張を述べた。特に子ども達に対する周知徹底が必要と述べたが、その場合即効性には乏しくなるだろう。ただ、長期的な視野で考えた場合、義務教育を受けている子ども達に向けた施策の重要性は高いと考える。
【例文解説】
通読お疲れさまでした!
「脱炭素に関連する技術の詳細を周知徹底すること」が必要という主張を軸に小論文を書いてみました!
この小論文は以下4つのブロックで構成されています。
- テーマ解説と問題提起
- 主張
- 主張に対する懸念点
- まとめ
それぞれのブロックを簡単に解説していきますね。
①テーマ解説と問題提起
テーマの解説+問題提起という王道の書き出しです。
サラッとテーマにまつわる話をした後に、問題を投げかければOKです!
今回は、
- 気候変動サミットでの宣言
- 温室効果ガスの8割はCO2であること
- 2050年にはカーボンニュートラルの達成を目標としていること
といった情報を盛り込んでいます。
このように、具体的な固有名詞や数字を用いることで、「テーマを理解している」ということを暗にアピールできます。
非常に使い勝手がいいので、ぜひ身につけてください。
②主張
①の問題提起に対する主張をするという、オーソドックスな書き方です。
主張に加えて「理由」をいれたのがポイントです。
ただただ自分の主張を述べるだけでなく、その後に理由を入れることによって、説得力が増しますので覚えておきましょう。
- 主張→脱炭素に関連する技術の詳細を周知徹底すること
- 理由→脱炭素を推し進めていくためには、あらゆる人の協力が必要だから
また、CCSの詳細を軽く説明することで、ここでもテーマへの理解を示しています。このように必要に応じて具体的な話をすると、説得力が高まるので覚えおきましょう。
また、今回は「周知徹底」を軸にしていますが、もちろん他の主張になっても構いません。
技術の話を深掘りしてもいいですし、植林の話をしても問題ありません。
自分なりの主張をぜひ考えてみてください。
③主張に対する懸念点
あえて自分の主張に対する懸念点を書くのは、小論文の鉄板テクニックです。
小論文が議論しているような形式になり、文章に深みが出ます。
しかし最後は、懸念点を解消して締めるようにしてください!
主張に対する懸念点だけ書いて終わってしまうと、悪い印象を与えたままになってしまいます。
それでは本末転倒ですからね。
- 主張に対する懸念点→いくら周知徹底をしても、「今更脱炭素に関連する技術に携わる気はない」という大人が大多数
- 懸念点の解消法→真に周知徹底すべきなのは、「義務教育を受けている子ども達」
④まとめ
最後は今まで述べてきたことを表現を変えて短くしたり、論文を通じて強調しておきたいことなどを書いたりすればOKです。
テンプレとしては、②と③の重要な部分だけを抜き出して伝えれば十分でしょう。今回は、それまでに書いてきたことをギュッと短くまとめてみました。
また、まとめの書き方は、要約の手法を身につければ簡単に書けるようになります。
ぜひ下記のページを参考にしてください。
「他の例文からも学びたい!」という人は下記のページへ。
複数のお題から学ぶことであなたの小論文の幅が広がり、どんなテーマにも対応できる力が身につきます。
また、今回の例文は以下のページの構成を使用しています。
書き方を身に着けたい方は参考にしてください。
【テーマの振り返り】
ここ最近、環境に関する話題が増えてきた印象があります。
一昔前は利益の追求がめちゃくちゃ大事でしたけど、これからは自然環境に配慮した姿勢を見せない企業は淘汰されていくでしょうね。
脱炭素と言われると何だか自分には関係無さそうにも感じますが、「電力・家・車」といった話にも繋がる結構身近なテーマなので、一応関心を持っておくことをオススメします。
また、脱炭素を達成するのに必要な要素を考えるのって結構大変なんですけど、この機会にぜひ考えてみてください。難しい話題を頑張って考えることで、あなたの思考力が磨かれていきます。
では、以上となります。
最後まで見て頂きありがとうございました!
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