この記事は、上のような悩みを持っている人に向けて書かれています。
では記事の詳細に入る前に、まずは軽く僕の自己紹介をさせてください。
独学の体験談を詳しく知りたい方は、以下のページを参照してください。
今回取り扱うお題は以下の通りです。
お題:現在沖縄では、新基地建設を中止にしたい意図を込めて、3,000日超の座り込みが実施されている。この沖縄基地問題に関してあなたはどのような意見を持っているか?800字程度でまとめなさい。
ひろゆきが煽ったことで、再度熱を帯びた沖縄基地問題。
地域住民の熱意は物凄くて、約7年に渡って座り込みという反対活動を行っています。実際に24時間ずっと座っているわけではありませんが、それでも、これだけ長期間反対し続けるのは、とてつもない執念を抱いていると見て間違いないです。
「この問題についてどう思うか?」と聞かれると、何を答えればいいのかよく分からなくて、困っちゃうと思います。ただ、こういう場合は自分で話の展開を作っていいとも言えるので、逆に書きやすかったりもします。
では、実際に例文を書いていこうと思いますが、その前にまずは、この沖縄基地問題の簡単な解説をしていきますね。
沖縄基地問題とは?
すごく簡単に言えば、米軍基地が作られることで、「騒音・環境破壊・治安の悪化」という問題が発生しているので、地域住民から怒りの声が上がっているという問題のことです。
この沖縄基地問題が勃発したキッカケは、太平洋戦争の末期にあると言えます。
1945年3月末から6月末にかけて、沖縄県の中で日本軍とアメリカ軍が激しく争い、結果的になんと20万人もの県民が命を落としました。その後の日本の降伏を待たずにアメリカ軍は日本を占領して、独自の政治体制を築いていきます。1951年のサンフランシスコ平和条約によって、本土の占領状態は解かれたものの、沖縄だけは占領状態が続きました。なぜかと言うと、当時は朝鮮戦争の最中であり、沖縄が位置的に重要な拠点となっていたからです。
そしてここで問題となるのが、アメリカ軍による強引な基地の建設です。沖縄の地域住民とよく話あって基地を建設したのではなく、かなり強引なやり方で土地を奪い、基地を建設したと言われています。この有様は、「銃剣とブルドーザーで基地を建設した」と表現されることで有名です。
1972年5月15日に沖縄は日本に返還され、県警が設置されたり本土との行き来が自由になったりしましたが、未だに基地問題は根深く残っているのが現状です。
はい、以上が簡単な説明なんですけど、ポイントは「銃剣とブルドーザーで基地を建設した」という歴史的背景にあると僕は思っています。沖縄県民による反対運動って、物凄く苛烈ですよね。その苛烈さに共感できない人の方が多数派だと思いますが、それは、土地を強引に奪われた凄惨な経験が無いからだと思います。
反対運動を起こしている人の中には、実際に土地を奪われた家系の方もいるでしょうね。こういった感情にもちゃんと寄り添うことが、この問題を考察するポイントになります。
では、以上を踏まえて、お題に対する例文を書いていきます。
例文
お題:現在沖縄では、新基地建設を中止にしたい意図を込めて、3,000日超の座り込みが実施されている。この沖縄基地問題に関してあなたはどのような意見を持っているか?800字程度でまとめなさい。
今回の論文では、前半に沖縄基地問題に関する住民の反対運動について、肯定的な意見と否定的な意見をそれぞれ述べる。後半では、両方の意見を踏まえた上での私なりの結論を述べる。
まず肯定的な意見を述べると、問題を放置させないことに繋がっているので、反対運動は有効だと考えられる。沖縄県民の一人ひとりに強い力があるわけではないが、多数が集まり反対運動を起こされれば、当然政府は無視することはできない。座り込みという非武力的な行動だとしても、基地の周辺に集まられると圧力を感じるし、報道番組やYouTuberに取り上げられるキッカケにもなる。政治は基本的に理屈を重視して進められる場合が多いので、感情や自然環境という無視されがちだが大事な点を全面に押し出して、問題提起し続けることは意義がある行動だと捉えられる。
否定的な意見としては、反対運動は沖縄県民全体の民意では無いように映るので、あまり歓迎されていない運動である可能性に注目したい。反対運動の様子を見ると、高齢者の姿が目立ち、若者の姿は殆ど見受けられない。つまり、基地問題に対する懸念は高齢者と若者の間でかなり深い溝があり、未来を担う人々の役に立っていない可能性も考えられる。また、反対派には違法行為をはたらく人もおり、地域住民から迷惑がられている側面もある。
以上を踏まえた私の結論は、「声を上げ続けることは良いが、やり方を変えるべき」だ。反対運動を起こす人にはそれなりの動機があるわけで、その心の叫びを封殺することは望ましくない。共感されるされないは別として、自らの想いを表現し続けることはその人にとって、必ず意義があるはずだ。ただ、現状のやり方を見る限り、良い手法を選択できているとは言い難い。迷惑を伴う主張は世間から避難を浴び封殺される運びになるので、今後も主張をし続けていきたいのであれば、別の手法を模索するのが妥当な判断だと私は考える。
【例文解説】
通読お疲れさまでした!
「声を上げ続けることは良いが、やり方を変えるべき」という結論で小論文を書いてみました!
この小論文は以下4つのブロックで構成されています。
- 導入
- 肯定的な意見
- 否定的な意見
- 結論
それぞれのブロックを簡単に解説していきますね。
①導入
導入部分では、「この論文がどのように展開されるか」ということを書きました。本で言う目次みたいなものです。この導入部分があるだけで先の展開が予想できるので、読み手は凄く助かるんですよ。
導入部分で目次のような文章を書く手法は、どんな論文にも使えますので、ぜひ覚えておいてください。
②肯定的な意見 ③否定的な意見
今回取り上げているテーマは、かなり賛否両論が別れるものです。こういう場合は、肯定的な意見と批判的な意見を取り上げて、両面の意見を踏まえた上で結論を出すといいですね。
多角的な視点から論じた方が偏った結論になりにくいし、物事を広く見れる人物であることも暗にアピールできます。
また、取り上げる意見ですが、素直に自分が思ったことを書けばOKです。無理に斬新な意見を出そうとする必要はありません。
④結論
ここで出す結論は、必ず肯定的な意見と批判的な意見を踏まえている必要があります。なぜなら、そうしないと、肯定的な意見と批判的な意見を書いた意味が無くなるからです。
今回は、「声を上げ続けることは良いが、やり方を変えるべき」という結論を書きました。見ていただけると分かると思いますが、現状を肯定的に捉えつつも、批判的な面は直したほうがいいという文章になっていますよね。
こんな感じで、両面をバランスよく取り入れることを意識してください。
「他の例文からも学びたい!」という人は下記のページへ。
複数のお題から学ぶことであなたの小論文の幅が広がり、どんなテーマにも対応できる力が身につきます。
また、今回の例文は以下のページの構成を引用しています。
書き方を身に着けたい方は参考にしてください。
【テーマの振り返り】
今回の結論は、「声を上げ続けることは良いが、やり方を変えるべき」としましたが、実はこれはキレイな結論であって、現実的でないとも思っています。
暴力的な行動を以て反対運動を起こしている人がたくさんいるんですけど、その人たちは当然、暴力的な行為なんてはたらきたくないんですよ。
ただ、暴力的な行為をはたらかないと自分たちの想いが全く表現できなくて、つい暴力的な行為に走ってしまったのだと思います。暴力を伴わずに大人しく主張し続けても、無視されるのがオチですからね。
まあ、それでも僕は、今の反対運動のやり方は正しくないと思っています。引き続き、この問題の動向に注目していきたいです。
では、以上となります。
最後まで見て頂き、ありがとうございました!
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